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BPO定期演奏会2013/1/11 メンデルスゾーン;交響曲第4番; ブルックナー;交響曲第6番 [ベルリン・フィル演奏会]

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ベルリン・フィルのデジタルコンサート1年分のチケットを購入してからかなりの日が経つが、時間的にも体力的にも精神的にも余裕がなく、なかなか鑑賞できないでいる。毎回買えばいいこととはいえ、折角の貴重なチケットでもあり、できる限り聴きたいものだ。

今回はリッカルド・シャイー指揮による、メンデルスゾーンの交響曲第4番とブルックナーの交響曲第6番という、イ長調同士の組み合わせ、なんといっても指揮がシャイーということもあり、大いに期待して眠い目をこすりながらリアルタイムで鑑賞に臨んだ。

尚、日本時間での開始は1月12日の4:00である。何も無理してリアルタイムで観なくとも、後にアーカイヴとしてアップされるのだからそれを好きな時に観ればいいのだが、休憩時間を含め、ホールと時間をリアルに共有できるというよさがあるのも事実。

さて、シャイーのメンデルスゾーンといえば期待とは裏腹に一抹の不安があった。というのも、ゲヴァントハウス管弦楽団就任時のコンサートを収録した第2番の演奏はよかったのだが、その後録音された第3番の演奏が非常に乱暴というか雑というか、テンポ面含め非常に魅力に乏しい演奏であり、ロンドン版を使用しているという、資料的意義のほかには存在価値を見出せない残念な記録をリリースしているからであり、今回の第4番に関しても両端楽章は中途半端な速さ、中間楽章はゆとりのない速めのテンポで期待を裏切られるのではないか、ということを想定していたためである。

また、ブルックナーに関しても違った意味での期待と不安があった。というのは、今度はベルリン・フィルの過去の同曲演奏を振り返った場合、このオーケストラらしからぬ凡演が残されており(カラヤン盤バレンボイム盤-ただし、カイルベルト盤・ムーティ盤・そして一昨年のブロムシュテットとの共演など素晴らしい記録もあるのだが)、もしかすると・・・という懸念をどうしても払拭できなかったのである。

まずはメンデルスゾーン。残念ながら予想は的中した。しかもほぼ完璧なまでに。ただ、曲が曲だけに、上述の第3番ほど酷いものではなく、私の好みに合わないだけで一般的には十分に受け容れられうるものであったことも事実。それにしてもシャイーの指揮姿は見るに堪えないというか、もう少し落ち着いた振る舞いができないのだろうか。観ていて少し苛立ちさえ覚えたほどだった。私の理想の演奏ではなかったのは残念だったが、逆に、いかような解釈が出ようともそれを音楽的に消化し、実際の音にするベルリン・フィルは本当に素晴らしかった。部分的にもう少しホルンを強調してほしいところもあったが、それはシャイーの解釈なので仕方がない。終演後も一部の団員は無表情であり、この演奏に関しては、シャイーの能天気な解釈をベルリン・フィルが高度な音楽性でカヴァーしていた、とさえ言いたい。仮に指揮がつまらなくとも、このベルリン・フィルというオーケストラの素晴らしさを実感することができるとやっぱりこのコンサートを聴いてよかったな、という気持ちになるのも事実なのである。

続いてブルックナー。最初のフォルテでややテンポアップするなど、落ち着きがないというか、ぎくしゃくしているというか、バレンボイム盤に似た不安定さがあり、かつ、シャイーの解釈なのか、金管が鳴り切らないというか、終始中途半端な印象が付きまとう演奏。シャイーのせいなのか、(ベルリン・フィルでもこのようなことがあるのか、というほど)オケのコンディションが悪かったのか、不完全燃焼の退屈な演奏(実際、ホルンの後ろにいる子供も退屈そうであったし、コンサート終了後の観客の退館も早かった)、というのが正直な感想で、次回以降の挽回に期待し本記事を締めくくりたい。


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